祝政権交代4.
1.小沢幹事長の誕生である。現幹事長の岡田氏にも事前の相談はなかったらしい。これに対してハマコーは「小沢の腹はわかっている。鳩山は早晩降ろして自分のコントロールの効く岡田あたりに代表(即ち総理)をやらせる」などとトンチンカンな批評を加えていた。岡田氏は小沢チルドレンの一期生ではあるが、その後政策の違いで袂を別っている。「操縦が効く、効かない」という点で言えば鳩山総理でも充分コントロールは可能である。しかし小沢さんはここぞと思ったら後先考えず一人で突っ走ってしまうタイプだが、それに比すれば鳩山兄の繰り出す蒙昧模糊とした「権謀術策」の方がむしろ巧妙なように私は思う。
かつて「政権交代が成ったら死んでもいい」と言っていた小沢さんだが、まだ枯れて隠居するには時機尚早で、来年七月には早くも次なる試練=参議院選挙が待っているから、周囲が引退などは許さないだろう。
自民党を飛び出して以降新生党~新進党~自由党~民主党と華麗なる転進を遂げて来た自らの政治活動の総仕上げとして、いったいどのような最終章を用意し我々に見せてくれるのか興味は尽きないところであるが、小沢氏が後進を育てることに長けているかどうかは不明ながら「選挙のプロ」を育てる才能に於いて彼の右に出る者はいない。
「西松を抱えて大丈夫か?」などといった要らぬ心配が党内からも出ているとのことだが、これは杞憂である。攻守処を代えた今、今度は小沢が(←鳩山民主党が、と言うべきだろうか)攻める番だ。
「耐え難きを耐え、忍び難きを忍んだ」小沢一郎のリベンジがこれから開始されるのである。
衆議院で丸裸にされた二階などは鴨同然、東京地検特捜部のあの黄色いコートを羽織ったとっぽい捜査検事ともども、きっちりねっちり締め上げてやったらいい。
西松事件で小沢秘書のみをやったのは麻生以下の自民の陰謀である。彼らはそれほど「小沢マジック」を恐れていたのである。小沢さんは辞任を引っ張るだけ引っ張ってその間選挙態勢を整えていたのだろう、見事本番の関西ブロックでは比例区議員が不足するほど自民・公明を撃破してしまった。これは明らかに読み違いで、自公の強い大阪で民主がこれほど勝つとは小沢さん自身も想定していなかったのである。
「乱を好む小沢さんが幹事長職に付けば必ず何かが起きる」というのは自民党サイドからのはしたない願望以上ではなく、仮に小沢さんが政界再編へ向けて動くとしても、それは今や沈没寸前の自民党を完膚なきまでに粉砕してから後に日程に上がって来る戦略である。
2.落選した笹川は「まるで翼賛選挙だ」と言い、比例復活の与謝野は「民主党が勝てば一党独裁になる」と危機感を露にした。永年自分たちのして来たことは棚に上げて、彼ら老人どもはいったい何を言い出すのだろうか?
3.選挙区で江端さんに敗れた「マダム・回転寿司=小池」は、雇われ・町村が総裁選に出ると知って早速派閥を脱出した。町村派は選挙前の61議席から今は23議席しかない。自ら望んで選対本部長になった甲斐あって(その後辞任はしたが)古賀選対の派閥は25議席という「半減に留まって」衆院では最大派閥にのし上ってしまった。兵隊さんは抛っておいて自分だけは生き残った派閥の領袖も今回は多いのである。
4.8/29朝の番組でTBS岩見は「60年安保以来の歴史的高揚感がある」と笑顔で言った。司会のみのはかつて武部幹事長のことを恥も外聞も躊躇いもなく「友達だ」と番組内で公言していた。どちらも報道を通じて「小泉構造改革」を手放しで礼賛していた口である。
5.尼崎で大奥の茶坊主=公明・冬柴を破った新党日本の田中ヤッシーだが、連合の推薦は受けられず、テレビでも某吉本芸人が「あのキャラクターは大阪のおかんみたいで関西では受けない」と評するなど個人的な逆風もあって、私も彼がしばしば好んで使う「改国」というスローガンはセンスが今一つと思っていたが、落下傘候補でありながら現実に強敵を打ち破って当選したのだから、少なくとも冬柴などよりは地元で受けたわけである。芸人の中には学会員も多いので、我々も注意して発言を聞かなければならない。
6.前回郵政民営化に反対して公認から外され、刺客を送り込まれて敗れ去った元自民党議員はどれだけ復活を果たしたろうか。野田聖子のように復党して大臣ポストまで与えられたケースは例外だが、その野田にしても選挙区では負けた。大阪2区の佐藤章候補などは前回刺客に破れ、今回はその刺客ともども民主候補に敗れた。都合8年間も在野の士が確定したのでは、彼の政治生命はもはや風前の灯ではないのか。
7.郵政民営化を主導した怪僧ラスプーチン=竹中は今猶「官僚社会主義」を打破したのは郵政民営化であると強弁しているが、霞ヶ関官僚の跳梁が止まっていないことは皆が知っている歴然たる事実である。個人的な恨みつらみのみで「殺されてもやる」とこれに突っ走った小泉への支持を熱狂的に煽り立てたのが報道各社である。民営化の是非を問う争いで、確かに自民党はぶっ壊されもはやこの両者の関係は修復不可能となった。
8.1993年の細川内閣成立当時は「多党化と言ってもそれは野党間のこと」と嘯いていた自民党だったが、16年たって今度は自分たちが空中分解する危機を迎えている。霞ヶ関から相手にされない上、財界からの物心両面に亘る支援が途絶えたらこの政党は終焉を迎えるしかない。財界が今後何を言い、何をするかを我々は注視するだろう。
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